世界のお米

日本では、お米は人々の生活に欠かせない大切なエネルギー源です。ライフスタイルが変化してきたことで、昔に比べると日本の食卓に洋食が並ぶことが増えてきましたが、それでもやはり「米」は私たち日本人の生活に欠かせない食卓の主役です。また、昨年12月に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、今再びコメの魅力に注目が集まっています。


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もちろんそのまま白米を炊いて食べるのもおいしいですが、その可能性は無限大。「寿司」や「おにぎり」の他にも、世界各国にはコメを使った自慢の料理がたくさんあります。


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そこで今日は米を使った世界の料理をご紹介します。言わずと知れた定番料理からなじみのない新顔まで、米の持つ魅力に迫ります。

(1) スペイン/パエリア


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写真:Shuntaro Hosokawa「建築キチガイによる、ヨーロッパ弾丸ツアー」より

スペインのバレンシア地方が発祥の代表的な米料理です。パエリアの名は、パエジェーラという丸型の浅い鉄製鍋を使って炊き上げることに由来します。パエリアの作り方の最大の特徴は、米も魚肉や肉などと一緒にオリーブ油で炒めてから、炊き上げるところ。サフランを使った鮮やかな黄色がトレードマークのパエリア。情熱の国スペインにぴったりの一品です。

(2) ベトナム/フォー


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写真:kiki「Ho Chi Minhのんびり旅」より

ベトナムは米食文化で、日本と同様に白米とおかず、汁物が食卓に並びます。そして、ライスぺーパーを用いた生春巻きや、ライスヌードルを用いたフォーに代表される米を使ったアレンジ料理も食卓を豊かに彩ります。

フォーはベトナムでは朝ごはんの定番メニュー。忙しい朝は、家庭で作るより屋台や食堂で食べてしまう人も多いため、ベトナム国内には大小問わずいたる所にフォーの店が軒を連ねています。

見た目は日本のきしめんに近いですが、味の決め手となるのは鶏骨や牛骨でだしを取った透明感のあるあっさりとしたスープ。

蒸し鶏や薄切りにした牛肉、モヤシやニラ、レモンやライムなど比較的淡泊なものが多く、軽くスルスルと食べれるのが魅力です。鶏のスープの場合はPHO GA(フォーガー)、牛のスープの場合はPHO BO(フォーボー)と言います。

ヘルシーで栄養価も高いことから、日本でも人気が高い料理です。

(3) ガーナ/ジョロフライス


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ジョロフライスは、肉や魚、野菜を炒めて煮込み、その煮汁で飯を炊く日本で言う炊き込みご飯のようなもの。

外見や作り方はピラフに似ていて、名称は「ウォロフ族の飯」に由来します。かつてウォロフ帝国が存在し、今もウォロフ語使用者が多く居住するセネガル、ガンビアで生まれ、さらにガーナやナイジェリア、そして北米へと伝わりました。

栄養満点で、鍋ひとつですべての煮炊きが済む調理の手軽さから、ガーナをメインとしたアフリカ諸国で親しまれています。なんだか食べると強くなれそうなのはそのいかつい名前のせいでしょうか。

(4) タイ/パッタイ


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パッは「炒める」を表し、タイはそのままタイ王国を表しているので直訳すると「タイを炒める」ということになります。とても面白いネーミングの料理ですが、それだけタイに根付いた看板料理です。


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写真:Misaki Iguchi「初一人旅!~ラオス・タイ~」より

タイではこのようなパッタイの屋台が定番で、国内の至るところで食べることができます。ベトナムのフォー同様、麺が米粉でできていて、日本の焼きそばに近い見た目です。しかし、味は日本に比べてとてもさっぱりとしていて、ナンプラーやタマリンドジュースといったタイ定番の調味料をつかって、甘酸っぱく仕上げます。辛いイメージが強いタイ料理ですが、これなら辛いものが苦手な人でも安心。

またパッタイの魅力は、エビや豆腐、野菜などががたっぷりはいった栄養バランス抜群なところ! 美味しくて安くて体にもいいなんて、まさにいいことづくめ! 夏バテ防止にもなりそうですね。

(5) 南インド/ドーサ


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北インドは、イランやアフガニスタンなど中東の食文化の影響を受けて、パン(小麦)を主食としていますが、南インドでは米が主食です。もちろんそのまま食べることも多いですが、インドはヒンドゥー教やジャイナ教の信仰者が多いため、ベジタリアンの食に飽きがこないよう工夫をこらしてきた経緯があるため、アレンジ料理が発達しています。

その一つが南インドの伝統的な主食であるドーサ。米と豆を水につけ柔らかくしたものをミキサーにかけてペースト状にし混ぜ合わせて野外で自然発酵させます。生地が膨らんできたら、パリパリの薄いクレープ状に焼いて完成です。具材をはさんでもよし、スープやソースにつけて食べてもよし。南インドの万能主食です。

(6) インドネシア/ナシゴレン


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写真:Miz Shige「ちょっと良いヴィラでのんびりすごす癒され旅」より

インドネシアは日本と同じように白米が主食です。熱帯湿潤気候のため、年に2回も収穫時期があり、米の生産量はなんと世界第3位。ナシゴレンは、そんなインドネシアの代表料理でNasi Goreng=Fried Rice(焼き飯)を意味しています。一見チャーハンのような見た目ですが、目玉焼きが上にのっていたり、サテと呼ばれる焼鳥やクルプック ウダンと呼ばれるえびせんべいなどが盛りつけられています。

そしてなんといっても、ナシゴレンの味の決め手は、辛い香辛料サンバル。それぞれの家庭や屋台独自の自家製サンバルによって、味が変わってくるのがナシゴレンの魅力。ピリッと口に広がる辛さが後を引く美味しさです!

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(7) エジプト/コシャリ


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写真:Tomoya Sato「エジプト」より

米、マカロニやスパゲッティなどのパスタ、ヒヨコ豆、レンズ豆をミックスし、トマトソースをかけたごちゃまぜ料理。

一回食べるとやみつきになる味と価格の安さから、エジプト国民に愛されています。家庭や食堂によって味や食材の組み合わせが違うため、同じ味のコシャリは存在しないといわれています。

エジプトは肥沃な土壌、長い日照時間、少ない病害虫など稲作に適した自然環境に恵まれています。そして実はエジプトで稲作が盛んになり、米大国として成長している背景には1980年代からの日本のODAによる資金面や技術面での貢献があるんです。そのためエジプトのコメの品種は日本でもおなじみのジャポニカ米。エジプトと日本がコメでつながっているなんて! これは意外な発見です。

さいごに

いかがでしたか?

食材や調理する方法によって、姿カタチを変幻自在に姿を変える米。やはり主食の王様です。でも旅先で、世界各国ならではの米料理に舌鼓を打ちつつ、炊きたての湯気が立ち上る真っ白なご飯が恋しくなってしまうのは、わたしだけでしょうか。

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ライター:渡部美佳

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▲編集元:TRiPORT